今回の記事は「【申請すれば立替払いも不要!】限度額適用認定証で高額医療費を減額」です。
高額な医療費の支払いが最初から自己負担限度額までで済んでしまう「限度額適用認定証」とは、一体どのようなものなのでしょうか?
5分で理解できるようにまとめてみました。
医療費が高額になりそうな時は「限度額適用認定証」
手術や入院等で医療機関への支払いが高額になった場合は、後から申請することで、自己負担限度額を超えた金額が払い戻される「高額療養費制度」があります。
ただし、後から払い戻されるとはいえ、一時的な立て替え払いであっても、大きな負担になる場合もあります。
こういう状況で、「限度額適用認定証」を保険証と併せて医療機関等の窓口に事前に提示すると、1ヵ月(1日から月末まで)の窓口での支払いを、自己負担限度額までに抑えることができます。

「限度額適用認定証」を用いることにより、立て替え払いを気にすることなく、高額療養費制度を存分に活用することが出来ますので、大きな病気やケガでの入院のときは、まず「限度額適用認定証」と覚えておきましょう。
私の身内でも、つい最近、手術と入院で「限度額適用認定証」を使用する状況が発生しておりましたが、最初から負担金が圧縮された状態で動くことが出来るのはとても心強かったです。
もしも「限度額適用認定証」が制度として存在せず、「高額なお金を一体どれくらい支払うことになるのか?まったく見通しが立たない状況」に追い込まれていたら、とても心細かっただろうなと思いましたよ。
そもそも高額医療費制度とは
重い病気などで病院等に長期入院したり治療が長引いたりすると、多くの場合、医療費の自己負担額が高額となります。
この高額な負担を軽減できるよう、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。
高額療養費は、年齢と所得によって自己負担限度額が定められていますが、1ヶ月(1日から月末まで)に医療機関の窓口で支払った金額が、自己負担限度額を超えた場合、申請することで超えた分が払い戻される制度です。
高額療養費制度の自己負担限度額は、下の表のように定められています。
例えば、現在の年収が500万円とすると、自己負担限度額は80,100円+αです。
しかも、4カ月目以降は44,400円に減額されます。
よく、「急病で手術を受けたら、月の医療費が何百万円にもなって払いきれない」と想像しておびえている方がいらっしゃいますが、実は、きちんと健康保険に加入していて「限度額適用認定証」も取得し、保険が効く治療を受ける分には、月の医療費は何百万円にはなりません。
さらに、年収が370万円以下であれば、月の医療費は57,600円、4カ月目からは44,400円になります。
ただし、一旦高額な医療費を立て替え払いした後、申請を出してから実際の払い戻しを受けるまでには、3ヶ月程度はみておく必要がありますので注意が必要です。
高額療養費制度の対象にならないもの
高額療養費制度の対象は保険が効く治療ですので、食事代、差額ベッド代など、保険外の負担分は対象にはなりません。
また、月を跨いだ場合は対象になりません。
あくまでも1ヶ月(1日から月末まで)区切りでカウントします。

例えば、標準報酬月額20万の場合の自己負担限度額が57,600円で、3月3日から3月13日まで入院したとします。
支払った医療費は11万円。自己負担額の上限57,600円を超えているので、110,000円-57,600円=52,400円 申請すれば戻ってきます。
ところが、3月26日から4月5日まで入院したとした場合、支払いの医療費が3月分6万円、4月分5万円の合計11万円でしたが、3月は6万円>57,600円なので、申請することで2,400円戻ってきますが、4月は5万円<57,600円なので該当しません。
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/000333280.pdf
「限度額適用認定証」の申請
[table id=3 /]
国民健康保険加入者は自分が住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口、協会けんぽ加入者は協会の各都道府県支部、組合健保加入者はそれぞれの健康保険組合に、「限度額認定申請書」(「限度額適用・標準負担額減額認定申請書」)を提出します。
手元に認定証が届くまでに数日かかることがありますから、入院の予定が決まったらすぐに手配しましょう。

「限度額適用認定証」の限界
「限度額適用認定証」を使っていても、次のような制限があります。
・2つ以上の病院に同時にかかっている場合は、病院ごとに計算します。
・同じ病院でも、内科などと歯科がある場合は、歯科は別に扱います。
・1つの病院・診療所でも通院と入院は別計算です。
・入院中の食事代や保険がきかない室料、
差額ベッド料および歯科の自由診療等は、支給の対象外です。
・申請受付月より前の限度額適用認定証の交付は出来ません。
したがって、1カ月の医療費が、何でもかんでも自己負担限度額以下になるというわけではありませんが、それでも、通常の3割負担に比べれば、支払う医療費はずっと少なくなりますので、使わないと勿体ないです。
大きな病気やケガでの入院のときは、まず「限度額適用認定証」と覚えておきましょう。
