今回の記事は『途上国の通貨安で本当に注意が必要なのは人民元では?』です。
アルゼンチン、金利が60%に。
日本の状況とは随分違う
アメリカと中国が貿易戦争をしている間に、アルゼンチンの経済がどんどん不安定になってきました。
アルゼンチン中銀が60%に利上げ、ペソ安に歯止めかからず 2018年8月31日
アルゼンチン中央銀行は30日、主要政策金利を45%から60%に引き上げた。31%を超えているインフレ率を制御すると同時に、自国通貨の一段の下落に歯止めをかけたい考えだが、大幅な利上げにもかかわらずアルゼンチンペソはこの日の取引で一時約20%下落し、終値ベースで最安値を更新した。
引用元:https://jp.reuters.com/article/argentina-central-bank-rate-idJPKCN1LF2RS
ゼロ金利、マイナス金利、異次元の金融緩和、テーパリングという言葉が常に飛び交う日本の金融政策とは、随分雰囲気が違います。
金利60%って、日本なら『利息制限法』に引っかかりますよ(笑)。
そして、ここ数年のアルゼンチンのインフレも年率20〜40%と高いので、最近まで2%のインフレ目標を掲げていても結局失敗した日本とは、やはり違いますね。
市場関係者は比較的冷静
途上国の通貨安に関しては、つい先日はトルコリラ相場が暴落してニュースを騒がせており、今回はアルゼンチンペソが大幅安となっていることから、1997年に起きたアジア通貨危機になぞらえて経済の見通しを考察している人たちも少なからずいるようですが、実際の為替相場や主要国の株価指数に影響を及ぼしたと考えられる形跡は無いので、あまり深く気にしなくてもいいのかもしれません。
最近は途上国の為替の値動きや北朝鮮や中東からミサイルが発射されても、金融マーケットが乱高下する展開はほとんどありません。
そんなことよりも、トランプ大統領のツイッター発言の方が、断然危ないです(笑)。
ですので、仮にトルコやアルゼンチンがデフォルトしても、そのことが世界経済に広く波及する可能性は低いかもしれません。
加えて言うと、トルコのデフォルトは「予想済み」で、アルゼンチンは「年がら年中デフォルトでもう慣れっこ」というのが市場関係者の本音かもしれません(笑)。
本当に注意が必要なのは中国・人民元では?
では、途上国の通貨安で本当に注意した方がよいのはどこなのか?
それは人民元ではないでしょうか。
人民元の底抜けは、チャイナショックの再来になりえます。
中国はファンド通して世界中の株を持っているため、人民元の底が抜けると、世界中の株を売りまくることで、主要国の相場が一気に大暴落という展開はあり得るシナリオかと。
特に買い手のいない日本株は、格好の売りの餌食かもしれません。