今回の記事は「要注意は利回りと家賃保証(宅建士からみた不動産投資の急所)」です。
不動産投資は依然として世の中の関心が高いテーマ

グーグルトレンドで不動産投資を調べると、株式投資よりも、世の中の関心が高いことがうかがえます。
同時に、それにあわせて融資する側の銀行も相当力を入れていることは容易に想像できます。
知り合いから聞いた程度の話で恐縮ですが、いつの間にか、融資を受けた個人が1億円クラスの物件を買う時代になっているようです。
市場全体が過熱しているのでしょう。
でも、不動産市場は、不正融資事件をターニングポイントに、急ブレーキ?
そんな中、書類を改ざんしたり、審査を緩くするなどして、本来は審査が通らないはずの人に不動産投資資金として巨額の融資をしてしまう事件が明るみに出て、大きな話題になってます。
まあ、これらは氷山の一角だとおもった方がよいでしょう。
空前の不動産ブームの中で起きた今回の事件は、不動産市場の活発な取引に急ブレーキをかけるかもしれませんね。
同時に、甘い審査で巨額の融資を受けたまでは良かったものの、そのお金は返済しなくてはならないお金ですし、返済する金額が大きければ、利回りが悪化した途端、その分だけ返済が間に合わなくなる人が出て来る可能性は高まるでしょうね。
投資の青写真を描く際、(表面利回りはもとより、)自己資本が少なければ少ないほどレバレッジが高くなり、その分だけ自己資本に対する利回りは高くなる一方、少しでも得られる家賃収入が減るとローンの返済が滞るケースも出やすいという諸刃の剣・・・。
その投資判断を前にして、背中をポーンと押してくれるのが家賃保証・・・。
巨額の融資を受ける側の人は、「利回り」と「家賃保証」が投資判断を後押しする材料になっているのではないでしょうか。
ま、大きなお世話ですけど、危ないですよね。
利回りと家賃保証を投資判断にするのは危ない
宅地建物取引士の資格を持つ私自身、日頃から物件をチェックするのは好きで、色々と物色してますが、利回りと家賃保証ありきで投資判断をするのは色々と問題ありという認識を強めています。
自分の頭の整理を兼ねて、下記にまとめておきます。
利回りがアテにならない理由
基本的に、他人が作った利回りは信用できません。
国の年金でさえこのザマなのですから(笑)。
株の配当利回りだってそうです。
自分が投資すると判断した時の「他人が作った利回り」が、ずっと続く保証なんてどこにもありません。
ですので、少なくとも私の場合、まずは利回りを考慮に入れず「入居者ゼロの状態でいくらで売れるのか?」=「本当の物件価値」と考えるところから検討開始ですね。
投資用不動産を買う時は、「家賃収入の話はオマケ」だとおもっているくらいの方が健全だと思っております。
家賃保証がアテにならない理由
投資用不動産を買う時は、家賃収入の話はオマケだとおもっているくらいの方が健全だと考えていれば、家賃保証に目がくらむこともないはずです。
そもそもの話として、企業との約束事は、その会社が潰れればパーです。
それをふまえて、「どっかの会社が保証してくれるはずの家賃保証がどうなるか?」ですよ。
家賃保証なんて、その会社が飛んだら何の意味もなくなります。
そもそも家賃保証会社は、家賃保証をせずに済むのが一番儲かります(笑)。
ですので、家賃保証が無くても買える不動産か?と自問してみてOKと判断出来たら、それは良い投資かもしれません。
保証つけると割高な価格設定でも売りやすくなりますから、「保証無しでいいから、もっと安くしてください。」と交渉する展開もアリですね。