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奨学金の落とし穴 返済トラブルで自己破産 保証人も危ない

 

今回の記事は『奨学金の落とし穴 返済トラブルで自己破産 保証人も危ない』です。

 

子どもの成長は、親としての喜び。

これを真っ向から否定する人はあまりいないでしょう。

でも、子どもが高校2年生や3年生になり、進路選びや受験のことを考える時期になると、色々と考えなくてはならないことが出てきます。

・本人がどうしたいのか?
・本人の学力はどうなのか?
・お金はどれくらい掛かるのか?

「どうしたいのか?」や「学力は?」については本人が決めることですが、「お金は?」の話になると、少し話が違ってきます。

お金の話は、親も考えなくてはなりません。

大学の受験料だけでもバカになりません。

一般入試の場合、受験料の単価を3.5万円で見積もると、併願して4つなら14万円。

晴れて第一志望の大学に合格したらしたで、入学金や授業料を納めなくてはなりません。

ここ最近は、国公立・私立を問わず、大学の授業料が高騰していますので奨学金を利用するケースも増えているようあり、2~3人に1人は奨学金を利用しているとされますが、後で深刻なトラブルに発展するケースも増えているようです。

 

意外と知らない 最近の奨学金事情

 

近年の奨学金の状況は、昔とは随分違います。

「昔」といってもピンキリなので、オッサンの私がまだ若者だった時代の話を例にとります。

私が若者だった時代を端的に言い表すと、

オウム真理教が地下鉄サリン事件を起こした傍らで、

小室哲哉が音楽プロデューサーとして大ヒットしていたり、

サントリーのCMが『恋は、遠い日の花火ではない。』だったり、

みんなの移動連絡手段が「ケータイとピッチとポケベル」で、

映画館では『タイタニック』が上映されていた90年代

です。

大昔ですね(笑)。

 

私の場合、私自身は奨学金を利用せずに大学を卒業しておりますが、友人や知人の中には奨学金を利用している人たちも何人かいました。

その彼らと雑談をしている最中に奨学金の話が出て来ても「奨学金、全然返してへんわwww」と笑い飛ばしておしまいになるのがいつものパターンでした。

「朱に交われば赤くなる」といいますが、こういう周りの人たちの影響で、私は「奨学金は、借りたら返さなくてはならないものの、仕切りがザルなので返さなくても全然オッケー」という間違った認識を長い間持っていました。

 

古き良き時代は、これでよかったのです(笑)。

 

また、過去に奨学金を利用したことがある人でも、内容を正しく理解していない人もいるようです。

私は大学4年間で200万円の奨学金を借りて、今月々1万5000円ずつ、20年のローンで返済しています。借りている間は親が返すものだと思い込んでいたので、卒業したときに「あんたが返すのよ」といわれ、23才で200万の借金背負わされたことにものすごい衝撃を受けたものですw

引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1454471354

 

奨学金を正しく理解している人って、意外と少ないのかもしれませんね。

 

で、今はどうなのか?

奨学金を取り扱う最大手である日本学生支援機構は2004年までは日本育英会でしたが、日本学生支援機構に名称が変更になった後は、貸した奨学金の回収をかなり厳しくしています。

古き良き時代とはノリが全く違うようです。

少なくとも、冗談は通じなさそうです。

日本学生支援機構はそうした延滞者に対する回収を強化している。同機構広報課によると、延滞者に対しては、まず文書や電話で督促をおこなう。その後、入金もなく、返還期限猶予の手続もなかった場合、裁判所に支払督促を申し立てるという。さらに、それでも返済に応じなかった場合、訴訟となる。2004年度に58件だった訴訟の件数は、2012年度は6193件にのぼった。

引用元:http://news.livedoor.com/article/detail/11126835/

 

ネーミングは奨学金ですが、実質的には借金ですから返済しなくてはなりません。

生活保護の不正受給のようでは別の意味で問題ですから、借りたものは返すべきだとはおもいます。

でも、ちょっとビックリですね。

そして、借りた奨学金を返せなくなった本人が自己破産し、保証人になっていた親や親戚も自己破産というパターンが取り沙汰されています。

国の奨学金を返せず自己破産するケースが、借りた本人だけでなく親族にも広がっている。過去5年間の自己破産は延べ1万5千人で、半分近くが親や親戚ら保証人だった。奨学金制度を担う日本学生支援機構などが初めて朝日新聞に明らかにした。無担保・無審査で借りた奨学金が重荷となり、破産の連鎖を招いている。

引用元:https://www.asahi.com/articles/ASL1F7SBXL1FUUPI005.html

 

ここで一度、奨学金制度を俯瞰

一言で奨学金といっても、国や地方自治体、民間団体のほか、学校単位でも独自の奨学金制度を設けていますのでピンキリではありますが、保護者として押さえておくべき要点は下記の通りです。

・返さなくても大丈夫な奨学金(給付型)
・返さなくてはならない奨学金(貸与型・無利子/有利子)

返さなくても大丈夫な奨学金は、学ぶ側からすれば授業料免除と変わりませんから、特待生のイメージです。

返さなくてはいけないけど無利子な奨学金は、利子が無いかわりに、あまり借りられません。

よって多くの学生は、「利子を付けて返さなくてはならない奨学金」を借りることになります。

救いなのは「利子の発生は卒業後」と「利子が教育ローンと比べてはるかに安い」という点でしょうか。

《比較:貸与型で利息アリの奨学金 VS 教育ローン 2018年現在》

・奨学金の借り主は学生本人、教育ローンは親。
・奨学金は在学中が無利息、教育ローンは借りた翌日から利息が発生。
・奨学金の利率の目安は「0.01%~」、教育ローンの利率の目安は「2%~」。

 

書き始めるとキリがありませんが、今回は「利子を付けて返済しなくちゃいけないタイプの奨学金が物議を醸している。」という点を抑えておけば大丈夫です。

 

参考:奨学金ガイド

 

奨学金を借りた人はどうやって自己破産するのか?

 

自己破産に至る代表的なパターンは下記のとおりです。

・学費の高騰をカバーするため奨学金という名目で多額の借り入れ
・卒業後は非正規雇用の増加をはじめとした不安定な雇用情勢
・日本学生支援機構の回収強化

耐えきれなくて自己破産

ただでさえ高騰した学費に対応するために多額のお金を借りている状況で、雇用情勢の悪化で返済計画が狂ってしまい、結果として「借りた奨学金を返せなくなった人が自己破産、保証人になっていた親や親戚も自己破産。」となっています。

 

返済が遅れるとかなりビジネスライクな回収がなされるようです。

下記のとおり、ブラックリスト入りはもちろん、自宅の訪問や会社への電話まである模様。

延滞が3カ月続くと、機構は個人信用情報機関に登録し、クレジットカードが一定期間使えなくなる。4カ月で債権回収会社による督促を開始。連絡が取れないと、自宅を訪問したり、会社に電話をかけたりすることもある。9カ月になると貸与金と利子、延滞金の一括返還を求める。

引用元:https://www.asahi.com/articles/ASL2C554WL2CUUPI005.html?iref=pc_extlink

 

回収が厳しくなったこともそうですが、ひと昔前と比較して大学の学費が2倍近くに上がっているのですから、借り入れ金額も昔と比べて多額になりやすい(その分だけ利息の返済だけでも大変)こと、容易に推察できます。

この30年間で国立大の授業料は2・13倍の約54万円、私大は1・76倍の約88万円になった。一方で平均給与は大きく上がっていない。卒業後も非正規雇用などで収入が安定せず、返還に苦しむ人が後を絶たない。3カ月以上の延滞者は16年度末で16万人。15年度の機構の抽出調査では、77%が「年収300万円未満」と答え、延滞が続く理由(複数回答)は「低所得」が67%で最も高かった。

引用元:https://www.asahi.com/articles/ASL2C554WL2CUUPI005.html?iref=pc_extlink

 

奨学金で自己破産が起きてしまっている状況に対して、問題点は色々な指摘があることでしょう。

そしてその問題点には、借りる側の問題点と貸す側の問題点があることでしょう。

 

借りる側の問題かもしれないこと

・返済を考慮せず、限度を超えた大金を借りてしまった?
・昔の奨学金のイメージ(取り立てが緩そうなイメージ)で借りてしまった?

貸す側の問題かもしれないこと

・借主(殆どは未成年の学生)の返済能力をロクに審査せず貸してしまった?
・借金なのに借金と言わず、奨学金を名乗ること自体が問題?

 

 

奨学金の返済 もしも延滞しそうになったら

 

奨学金を借りたまではよかったものの、卒業した後で病気怪我、失業などによって返済が困難になることもあります。

黙って延滞すると延滞金が発生するだけでなく信用情報に傷が付きますので、「返済が難しそう」と思ったら無理をせず、早目に窓口に連絡して、今後の返済について相談しましょう。

奨学金を日本学生支援機構で借りた場合、返還が難しい人に対して、「減額返還」と「返還期限猶予」の2つの救済制度があります。

 

減額返還制度と返還期限猶予制度

 

減額返還制度

減額返還制度は、1回の返済額を、2分の1、3分の1に減らして、返済を続けます。

1回の返済額を減らす分、返済期間が2倍、3倍に延長され、最大で15年まで延長できます。

収入等の基準では、給与所得者なら年収325万円以下(それ以外は所得225万円以下)の場合に願い出ることができます。

1年ごとに審査があり、承認を受けてから利用することができます。

 

返還期限猶予制度

返還期限猶予制度は、適用期間の分だけ後ろに延長され、通算10年まで猶予が可能です。

収入等の基準では、給与所得者なら年収300万円以下(それ以外は所得200万円以下)の場合に願い出ることができます。

1年ごとに審査があり、承認を受けてから利用することができます。

 

参考:減額返還・返還期限猶予リーフレット(平成30年7月時点の内容です。)

 

まとめ

 

大学の学費の高騰や家庭の事情等が重なって、奨学金を借りなくてはならない人が2~3人に1人はいるとされます。

そして、学費の高騰にあわせて多額のお金を借りている分だけ、奨学金の返済が昔よりも大きな負担になっています。

 

古き良き時代とはちがって、これからの時代はお金(金融リテラシー)の教育が本当に大事だとあらためておもいました。

古き良き時代に若者だった私がお金の話を考え始めたのは社会人になった後からでしたが、今は小さいうちから金融の仕組みを無理なく受け入れられる家庭環境があってもいいかもしれません。

どうせ人生のどっかの時点で老後の資金繰りを考えなくてはならない時期が来て金融リテラシーも要求されるのですから、お金の話に慣れ親しむのは早い方がいいでしょう。

 

 

ABOUT ME
Norizo-Ninja
40代 ・自由人 ・個人投資家(相場歴10年超・FX・S&P500ETF・トレンドフォロー) ・広告代理店マンだった人(10年勤めて退職) ・資格: 宅地建物取引士(合格当時は宅地建物取引主任者) ・出身校: 慶應義塾大学 ㈱電通など ・趣味:音楽(Gibson Les Paul Standard・Fender Eric Clapton Stratocaster)格闘技(Kickboxing)
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