今回の記事は「出口なき日銀の金融政策 いざなぎ超えでも緩和が続く」です。
ECBも緩和終了を正式に決定
欧州中央銀行(ECB)は、金融緩和政策を予定通り年内で終了することを決めました。
欧州中央銀行(ECB)は13日、今後の金融政策を協議する理事会をドイツ・フランクフルトで開き、国債などの資産を購入し市中に資金を供給する量的金融緩和政策を、当初の予定通り年内で終了することを正式に決めた。ユーロ圏経済は足元で減速しつつあるが底堅く、方針の変更は必要ないと判断した。
既に米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを再開していることも踏まえると、米国の動きに欧州が追随したともいえます。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は28日、来年の利上げ回数見通しについて、連邦公開市場委員会(FOMC)参加者が下方修正する可能性に道を開いた。
既に米国は、利上げのペースをどうするか?に皆の関心が集まっています。
レベルが違いますね(笑)。
日銀の緩和終了はまだまだ先の話
では日本は?というと、金融緩和の終了はまだまだ先というのが日銀のスタンス。
日本は2%の物価安定目標も達成できない状況が続いているので、緩和も継続という流れです。
日銀の黒田東彦総裁は6日、参議院財政金融委員会で、大規模金融緩和政策の出口戦略を議論するのは「時期尚早」とし、2%の物価安定目標達成に向けて現在の緩和政策を粘り強く続ける考えを改めて示した。
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でも日本経済も、景気が回復している「期間だけ」はかなり長いんですよね。
内閣府は13日、景気動向指数のあり方を検証する景気動向指数研究会(座長:吉川洋立正大学教授)を開催し、2012年12月から始まる現在の景気回復が2017年9月時点で、高度成長期に57カ月続いた「いざなぎ景気」を超え戦後2番目の長さとなったと正式に判断した。来年1月まで景気回復が続けば、戦後最長の74カ月となる。
現在は既に戦後2番目の景気回復で、2019年1月まで続けば戦後最長なんです。
回復期間だけをみるならもっと世の中がウハウハになっていても不思議じゃないのですが、まだ日銀の緩和政策が終わらないのはヘンですね。
その分だけ、回復のペースが戦後最悪なのかもしれませんよ(笑)。
実際のところ、経済は人々の気分に左右される部分がかなり大きいことから、理論通りに事が運ばないことも多いようです。
仮に、この「多くの人の気分」が不景気(悲観・デフレモード)から好景気(楽観・インフレモード)に転換するポイントを、過去の経済成長率から探るなら、経済成長率が毎年2~3%をキープ出来る時代にならないとダメかもしれませんよ。
第二次安倍内閣がアベノミクスとともに誕生してから経済成長率2%以上になったのは、2013年だけですから(笑)。
ちなみに、翌2014年に消費税率が5%から8%にシフト。
消費税率が8%になった後は全然ダメなままということでもあります(笑)。
経済成長率が毎年2~3%で増えていく時代は、まだまだ先といえそうです。
実体経済において「何が本当の不具合なのか」はここでは触れませんが、物価上昇が2%を維持できない状況でGDP成長率2%以上を目論むのは難しいでしょうね。
そして、GDP成長率2%以上がキープ出来ない状況で景気の良さや明るい雰囲気を実感するのが難しいのは、過去の数値が物語っています。
のんびりしている場合でもない
日本の景気回復のペースが鈍く、戦後まれにみる長期の景気回復になっているのに中央銀行の金融緩和が終わらないのが今の日本です。
ある意味で、回復期間だけは無駄に長い分だけ、回復ペースが戦後最悪かもしれないのが今の日本とも言えるのですが、自国の状況だけでなく海外の動きも気にした方がいいでしょう。
リーマンショックから今年で10年ですが、そろそろリセッション入りか?という声はニュースを通じて頻繁に見聞きするようになりました。
12日公表された「デューク大学/CFOグローバル・ビジネス・アウトルック」調査によると、米企業の最高財務責任者(CFO)のおよそ半数が2019年末までに米経済がリセッション(景気後退)入りすると予想していることが分かった。また2020年末までには、8割以上のCFOが景気後退入りするとの見方を示した。
今のうちに利上げしておかないと、次の不景気で「金融緩和というカード」が使えなくなります。
もしも一度も利上げせずにまた不景気が来たら、それこそ異次元の経済情勢になりますよ(笑)。
