ロシア 唯一の空母が火災に
ロシア唯一の空母「アドミラル・クズネツォフ(Admiral Kuznetsov)」が火災に見舞われました。
大規模な修理をしている最中、溶接作業で火災が起きたとのこと。
ロシアの北極圏内にある造船所で修理中だった同国唯一の空母で12日、火災が発生し、少なくとも作業員1人が行方不明になっている。同国メディアが報じた。
![]()
2018年10月には、クレーン1基が甲板に落下して損傷する事故も発生しています。
軍事大国のイメージが強いロシアが空母を一隻しか持っていないというのは意外におもえますが、どこの国も軍事費は大変なのでしょう。
ランドパワーのロシア、海に手が回らず
地政学上、ロシアはランドパワーに軸足を置きます。
空母はシーパワーに属しますから、経済的な事情からも予算配分しにくいのでしょうか。
- ランドパワー=海よりも、陸の上で戦うほうが得意
- シーパワー=陸よりも、海の上で戦うほうが得意
今回の空母「アドミラル・クズネツォフ(Admiral Kuznetsov)」は、着工が1982年、進水が1985年です。
ソ連時代から使用している空母であり、かなり老朽化している空母とも言えます。
ロシア唯一の空母アドミラル・クズネツォフは、ナショナル・インタレスト(The National Interest)によると、世界で5本の指に入る最悪の空母。
2016年10月、アドミラル・クズネツォフはシリアでの配備に向けて英仏海峡を航海中に、黒煙を噴き出している姿が確認された。
「この艦の最大の問題点は、その脆弱な推進システムにある」とCNA(Center for Naval Analyses)のドミトリー・ゴーレンバーグ氏(Dmitry Gorenburg)氏は、以前、Business Insiderに語った。
「極めて信頼性に欠けている」
修理のためにドックに戻る前から、アドミラル・クズネツォフには故障に備えて特別なタグボートが随行していた。配管設備が特に劣悪で、ほとんどのトイレが使えなかったと言われる。
現在はムルマンスクで修理中、復帰は2021年以降になる見込み。
同じランドパワーかつ社会主義国でも、ロシアと中国は違う
✅日本人が知るべき東アジアの地政学 ~2025年 韓国はなくなっている~
ランドパワーが軸足であっても、ロシアと違って中国は、国際法を無視して東シナ海や南シナ海への煽り行為を継続するなど、手を広げてシーパワーを強化することにも積極的です。
- 遼寧
- 001A型
- 002型
など、国産空母の開発も積極的です。
まあもちろん、まだまだ課題は山積みのようですが。
中国で初の国産空母である通称「001A」の就航が、当初予定の今年4月から大幅にずれ込んでいることが明らかになった。大きな原因は艦載機が決まらないことだ。
ウクライナから購入した中国初の空母「遼寧」の艦載機は「殲15(J-15)」だが、故障が多く事故も発生しており、海軍首脳は「艦載機としては不適格」として早々と断念。次の候補としては「殲31(J-31)」や「殲20(J-20)」が有力候補となっているものの、2つともは艦載機としては一長一短ありで、訓練でも満足な結果が出せず、001Aの就航は大幅に遅れて2020年代後半にもずれこむ可能性もあるという。
やはり先立つものはカネ?
やはり先立つものは、カネのチカラなのでしょうか。
同じ社会主義国でも、ロシアと中国って、スタンスが違いますね。
米中貿易戦争の行方も気になるところですが。