独VW、ファーウェイと提携検討 自動運転など念頭 中国メディア報道、合弁会社設立か
フォルクスワーゲンが、ファーウェイとの関係を深めています。
独フォルクスワーゲン(VW)が中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)と自動運転技術の開発を念頭に提携を検討していることが11日、分かった。VWの中国法人とファーウェイが合弁会社を設立し、技術開発に共同で取り組むとの見方が出ている。VWは中国販売をてこ入れし、ファーウェイも技術の提供先を広げ、関連事業を伸ばす狙いとみられる
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自動運転技術の開発を念頭においているとのこと。
両社の共通点は、米国からこっぴどくイジメられたこと
フォルクスワーゲンとファーウェイ。
両社は米国にいじめられたという点では、共通しています。
フォルクスワーゲンは排ガス不正。
独フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車の排ガス不正問題で、VWと米当局は28日、VWが総額147億ドル(約1.5兆円)を支払うことで和解した。米国における自動車メーカーの訴訟和解金(制裁金)としては、トヨタ自動車の12億ドルを大きく上回り、過去最高
ファーウェイは半導体の輸出規制。
米トランプ政権による中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)に対する半導体の輸出規制が、15日に本格適用される。経済・軍事両面の競争力の決め手となる中核部品で米中の「デカップリング(切り離し)」が進み、華為に部品を供給する日本企業にも影響が広がりそうだ。トランプ米政権は今年5月と8月、華為に対する半導体の規制強化策を発表した。いまは「猶予期間」だが、15日から本格的に導入される。米国側が「中国軍に所有または管理されている」とみる華為への高性能半導体の供給を、事実上絶つ狙いがある。
その意味で、両社は仲良くなれそうですね。
既に中国でシェア1位なら、ファーウェイ以外と組むのもあり得たのでは?
フォルクスワーゲンは既に中国の乗用車販売でシェア首位。
競争が激化しているとはいえ、その首位を維持しています。
VWは中国の乗用車販売でシェア首位を維持している。ただヴェレンシュタイン氏は中国メディアに対し、21年通年の新車販売台数は20年比14%減の330万台だったと明らかにした。2年連続で前年実績を割り込んだ。世界的な半導体不足の影響が主因だが、中国の独自ブランドなどとの競争も激しくなっている。
ファーウェイは世界シェアはもちろん、中国国内シェアも激減している状況。
ファーウェイは中国国内シェアも大幅減となった。前年同期には出荷台数3,010万台で41%を占めていたシェアも、1,490万台に落ち込み市場シェアは16%に激減。1位Vivo(ビボ)、2位OPPO(オッポ)といった新興のライバルメーカーに抜かれ国内3位に転落
他に組む相手はいないのでしょうか。
ソニーによれば、新会社の名前は「ソニーモビリティ」。数カ月内に設立される見通しでEVの事業化を目指す。
たとえばソニーとか(笑)
米国からの制裁対象にならなければいいが……
米国は以前から、中国に対する制裁を発動させています。
2020年11月12日、トランプ大統領(当時)が、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発令された「共産主義中国の軍事企業に資金を供給することとなる証券投資の脅威に対応するための大統領令」(EO13959号)を発令
「IEEPA」(国際緊急経済権限法)は、米国だけの問題ではありません。
- 米国の技術や製品を利用した第三者、第三国の商品輸出についても適用される。
- ある製品の技術において、米国製の割合が25%超なら輸出禁止商品になる。
- 人への技術移転も「みなし輸出」として禁止。
そして「共産主義中国の軍事企業に資金を供給することとなる証券投資の脅威に対応するための大統領令」(EO13959号)のリストには、ファーウェイの名前が入っています。
名指しです。
発令はトランプ政権時代ですが、バイデン政権もEO13959号に修正を加える大統領令に署名し、トランプ前大統領の方針を踏襲しています。(2021年6月3日)
そのためファーウェイやその関連企業への技術供与や共同研究開発はご法度で、万一違反した場合、取引先や銀行などから取引停止を宣告される可能性もあります。
もちろんフォルクスワーゲンが米国の技術に頼っていなければ大丈夫ですが、米国が今後どのような出方をするのか?──個人的に気になるところです。